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天橋立について

 

天橋立の概要

天橋立公園内
天橋立(飛龍観)
天橋立周辺地域(航空写真)
股のぞき(傘松公園)

 天橋立は、京都府宮津市にある景勝地で、毎年全国から多くの方が訪れています。

天橋立は、大天橋、小天橋、第二小天橋、傘松からなり、砂嘴の全長約3.2km(大天橋、小天橋部分)、幅約20~170mの砂浜の上に、大小約5,000本ものクロマツが生い茂った美しい松並木の景観を有しています。

 

 

 白砂青松の美しさのほか、多くのビューポイントからの眺望景観も魅力の一つとされ、「天橋立四大観」をはじめ、様々な角度から天橋立を見ることができます。

天橋立四大観

  • 飛龍観:天橋立ビューランドから
  • 斜め一文字:傘松公園から
  • 一字観:与謝野町の大内峠から
  • 雪舟観:栗田半島の天橋立雪舟観展望休憩所から

 

 

天橋立の由来

「丹後国風土記」によると、イザナギノミコトが天界と下界を結ぶために、はしごを作って立てておいたが、眠っている間に海上に倒れ、そのまま一本の細長い陸地になったのが天橋立とされています。


天橋立を逆さに眺めると天に架かる橋のように見えるとされ、傘松公園から股のぞきで見るのも有名です。

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日本三景等

■日本三景

特別名勝(文化財保護法により景色のよい土地で特に重要として指定されたもの)である天橋立は、松島(宮城県)、宮島(広島県)と並ぶ日本三景として知られています。

 

日本三景は、江戸時代前期、林春斎が「日本国事跡考」の中で、「丹後天橋立、陸奥松島、安芸厳島、三処を奇観と為す」と紹介したのが始まりとされます。

※林春斎の生まれた7月21日は日本三景の日に制定されています。(日本三景観光連絡協議会)

■百選

  • 日本の名松100選(S58)
  • 日本の名水100選(S60)
  • 日本の道100選(S61)
  • 日本の白砂青松100選(S62)
  • 日本の渚100選(H8)
  • 美しい日本の歴史的風土100選(H19)
  • 日本の歴史公園100選(H19)
  • 日本の地質100選(H19)
*磯清水(日本の名水100選)
海に囲まれた天橋立公園内にありながら、真水が湧き出る不思議な水とされています。

■その他

  • 美しい日本の歩きたくなる道500選(H16)
  • 丹後天橋立大江山国定公園に指定(H19)
  • 与謝野寛・晶子歌碑建立(H18/天橋立を守る会)
  • HANDinHAND天橋立にて天橋立宣言(H20/天橋立を世界遺産にする会)
  • 天橋立憲章の制定(H21/天橋立を守る会)

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世界文化遺産を目指す天橋立

■世界遺産登録に向けた取組み

平成19年9月27日、京都府、宮津市、伊根町、与謝野町は、世界文化遺産の候補として「天橋立-日本の文化景観の原点」を文化庁に共同提案をしました。残念ながら、平成20年9月26日に文化庁が発表した審査結果では世界遺産候補見送りとなりましたが、高い評価を受けました。今後、与えられた課題を解決するための取組みが進められます。

 

○認められた価値
  • 日本を代表する特徴的な海洋景観であり、風景美を自らの心象や芸術に投影し、眺め見ることを憧憬してきた日本的美意識の形成過程を物語る資産である。
  • 日本を代表する「白砂青松」は、様々な芸術作品や庭園にも影響を与えるなど、日本人の文化性・精神性を理解する上で、重要な風致景観として価値が高い。

 

○課題等
  • 世界史的・国際的な観点から、比類のない「白砂青松」の景勝地の希少例又は典型例として、天橋立が顕著な普遍的価値を持つ可能性について確実に証明。 (国内外(特に中国・韓国)の同種資産との比較研究)
  • 松が叢生する砂嘴を天に繋がる橋と見立てる日本人の独特の伝統や精神性の原点と位置付けることについての十分な説明。
  • 天橋立の構成資産及び周辺関連諸要素の適切な保護。  など

 

 

*参考 天橋立の世界文化遺産を目指す取組み(宮津市のページ) 

*参考 世界遺産暫定一覧表記載資産候補にかかる提案書

   「天橋立-日本の文化景観の原点」(宮津市のページ)

 

 

■天橋立の文化的側面

天橋立は白砂青松・眺望景観の美しさだけではなく、歴史的・文化的な価値を持っています。

それは、智恩寺や籠神社、成相寺など数多くの寺社を周辺に有していることや、多くの文人墨客に愛され、歌や絵画など様々な芸術を生み出してきたという、天橋立という場所が持つ魅力でもあります。

 

作品の例

雪舟の作品 国宝「天橋立図

百人一首の小式部内侍の歌「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天橋立

世阿弥が仕上げたとされる智恩寺を舞台とした物狂能の名作「丹後物狂

など

 

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天橋立の保全について

 天橋立は人と自然とのかかわりの中で、その白砂青松の美しさが保たれてきました。これからもわたし達が、天橋立を守り、後世に残していくことが大切です。

■松並木の保全

松は乾燥した土地、やせ地でも生育可能です。逆に、土壌の富栄養化が進むと広葉樹へと遷移します。現在の天橋立は腐植土により栄養過多の状態で、松以外の植物が育ちやすい環境となっています。
以前は燃料として松の枝や葉を用いていましたが、このことが松林をよい環境に保っていました。化石燃料へ転換した現在、徐々に広葉樹林への遷移が進んでいます。また、松枯れや、自然災害による倒木も問題となっています。
現在、松並木の保全のための様々な取組みが進められています。「クリーンはしだて1人1坪大作戦」や「天橋立まもり隊」などもそうした取組みのひとつです。

*参考「天橋立公園の松並木と利用を考える会」(京都府のページ)

*参考「天橋立公園継承準備委員会」(京都府丹後広域振興局のページ)

*クリーンはしだて1人1坪大作戦の様子

 

松葉を中心としたごみの回収等清掃作業を、毎年4月と12月の年2回行っています。

「天橋立を守る会」を中心に多くの企業・団体・地域住民の方の参加をいただいて実施しています。

 

 

*このほか、ボランティアによる清掃活動を呼びかける「天橋立まもり隊」なども実施しています。

 

■砂嘴の管理

天橋立の海岸(砂浜)は、年々浸食され、どんどんやせ細ってしまっていました。そのため、上手側に堆積した砂を下手側の海岸へ人工的に移動させる一種の養浜工として「サンドバイパス工法」を日本で初めて採用し、砂浜の保全を図っています。(昭和61年~)

また、現在は、昔の天橋立の姿を取り戻す試みも行われています。

*参考「サンドバイパス事業」(京都府のページ)

*参考「天橋立公園の整備」(京都府丹後広域振興局のページ)

 

 

■天橋立周辺地域の景観の保全

天橋立は、周辺の山、河、海、そしてそこに住む人々が一体となって景観を形成しています。

現在、天橋立周辺地域のふさわしい景観を保全・育成し、あるいは新たに創造して次の世代に引き継いでいくための「景観まちづくり」の取組みが進められています。

*参考「天橋立周辺地域景観計画」(京都府のページ)

 

■阿蘇海の環境改善

天橋立の内海である阿蘇海は、外海とは海水交換がほとんどなされない閉鎖性水域のため、汚濁物質の流入・蓄積が進み、底質にはヘドロが堆積、水中は無酸素・貧酸素状態、表層は富栄養化によりアオサが異常発生し、悪臭の原因となる硫化水素が発生しています。

こうした阿蘇海の環境を抜本的に改善するため、阿蘇海と流入河川の地域全体で汚濁物質を流さない行動が求められています。

*参考「阿蘇海環境づくり協働会議」(京都府丹後広域振興局のページ)

 

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